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惑星観測所の記録

アニメの感想、雑記など徒然と記すブログ マイペースにまったり更新中

『神様のメモ帳 2』について 





神メモシリーズの第2巻。
あとがき合わせて331ページ。

ネタバレがございますので、まだお読みになられてない方はお気を付け下さい









ある日、2億円もの“汚れた”お金が詰められたボストンバックを携えてアリスの元にやって来た女の子・メオのために
彼女の願いを叶えてやろうとするニート探偵事務所の面々たち。
この巻はそんなお話。
人一人はちっぽけな存在であっても、大勢集まればそれは大きな力となる。
その事を身に染みて感じた巻となりました。




2巻にも1巻と同様の雰囲気がそこはかとなく感じられて、しっとりと楽しませてもらいました。
良いですねぇ、私はやはりああいった“思わず考えさせられてしまう”ような作品が好きです。
笑いがあったり悲しい出来事があったり……完全なハッピーエンドではないけど、どこか救いの残る終わり方。
素晴らしい、実に素晴らしい。




ページを繰っていくにつれて徐々に明らかになっていく事件の真相やナルミ自身の葛藤・自問自答を読みながら思いましたが、
テツ先輩(?)が言っていた「お前とアリスはよく似ている」という言葉が何となく納得できたような気がします。
どちらも、常日頃から自分自身の無力感を痛切に感じてるんですよね。
何から何まですぐ自分のせいにして、ただでさえ辛い状況なのに更に自分を追い込んでしまう。
「バカなやつだ」と一蹴してしまえばそれで終わりなんでしょうが、そうする事でしか自分を慰められない人も居るんだろう。きっと。


1巻での事件について「自分は何もしていなかった」と感じたナルミでしたが、今回の事件ではしっかりと行動してくれましたよ。
終盤にかけての莫大なお金を介した心理戦はとても良かったです。
ナルミ、やるじゃん!と認識を改めさせられましたw


まぁね、自分がほとんど何もしてあげられてないからって、卑屈になる事はないと思うんですよ。
実際に周りの人に何かをしてあげられる人って、ごく僅かでしょう?
それに、知らず知らずのうちに自分の行動や言動によって周りの人を助けていた……なんて事は、よくあることなのです。
ナルミの頼みだから、四大目は義兄弟の契りを交わしてまで助けてくれた。
ナルミの頼みだから、『ハロー・パレス』の人達も協力してくれた。
……とりあえず、それで良いんじゃないかな。




それと、1巻のラスト以来彩夏のお見舞いを避けてたナルミが
メオを説得するために自ら進んで彩夏との事を語り出すシーンも良かったですね。
「友達ができたら心の中にその人のための部屋を用意する」という表現が特に気に入りました。
ナルミなりの、どこか頼りないけど心のこもった説得だったと思います。
友達って、自らを成長させるためには欠かせない存在ですよね。






ちなみに。
メオが父親しか知らない自分の本名をナルミに教えるシーンで疑問に思った事ですが、
調べてみたところどうやらタイは基本的にニックネームで呼び合うんだそうです。
自分の本名はあまり語りたがらず、家族等自分と親しい者にしか教えないんだとか。
タイでは自分の真名には魔力が宿っていると考えられてる……なんて記述をどこかで見ましたが、
どうなんでしょうか。


あぁ、意識を取り戻した彩夏はどんな感じなんだろう。
ナルミとまた楽しげに話をしてくれれば、それだけで満足なのですが…


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2011/01/10 Mon. 00:07  edit

Category: .書籍物の感想 ライトノベル

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