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惑星観測所の記録

アニメの感想、雑記など徒然と記すブログ マイペースにまったり更新中

小説2作品の感想 





急に本が読みたくなったので、図書館に行って本を借りてきました。
200~300ページほどの小説を2冊、暇を見付けてはちまちまと読書。
パッと目に付いたタイトルを手に取り、あらすじをサラッと読んで気に入ったものを借りていたりします。
今回は、その2冊の感想を書き記してみようと思う。






1冊目は赤川次郎さんの『その人の名は、殺意』という作品。
名門の篠崎家に籍を置く八江・詩子(うたこ)・ちづるの三姉妹は明るく健やかに成長しながら平穏な毎日を過ごしていたが、
八江の婚約者・金井正紀が現れることによってその生活が徐々に崩れ去っていく……という内容の作品。
ううむ、何と言って良いものか…
淡い青春を綴った物語と取るべきか、ヒヤッとした殺人が淡々と繰り返されるだけの物語と取るべきか。
どちらでもあってどちらでもないような気がして、私には判断がつきかねます。




金井はちづるを一目見た瞬間から心奪われてしまうのですが、その「愛」が一般的なそれと比べると変わってるんですよね。
変わってる、というよりも常軌を逸してると言った方が正しいのかもしれない。
その愛情って、殺意の込められた愛情なんですよ。
ちづるもまた金井に対する愛が芽生えるのですが、その愛は世間一般で使われる「普通の」愛なんですよね。
2人は両想いにちがいないのだけど、それぞれの胸に宿っている愛が本質的に違うんです。
ちづるを愛しているのに、傍に置けば彼女を殺してしまう。
自分は「普通」ではないから、彼女の下から去ろうとする金井の気持ちを考えると、何だか物悲しくなってしまいました。
来るはずのない人物を待ち続けるちづるも、切なすぎる。


それぞれの人間関係が糸を縫うようにして巧みに繋がっていく様も、この作品の魅力の1つだと思います。
「ここでこの人とこの人が繋がるのか!」と、何度感じたことか。
素直に感嘆と作者に対する賞賛を心に秘めてしまいます、実に面白い。
これだから、一般小説を読むのは止めらない。


それと、この作品にはいくつか殺人の描写も描かれているのだけど、おそろしく淡々としている。
殺人は普通、緊迫としたムードが漂うはずのものなのに、少なくとも金井が行ういくつか殺人については全くその色が感じられない。
おそらく、意図的にそのように描写しているんでしょうね。
他の人物が殺人を行う際は焦りだとか、誰かに対する熱い情愛が如実に感じられましたから。
一体、金井はどんな過去を歩んできたのだろう…
知的好奇心からついつい知りたくなってしまいますが、知ったら知ったでひどく落ち込んでしまう気がします。
知らない方が良いのでしょうね、きっと。




2冊目は村山由佳さんの『キスまでの距離 おいしいコーヒーの入れ方Ⅰ』という作品。
父の転勤がきっかけでいとこ姉弟と同居することになった高校3年生の勝利(かつとし)が
久しぶりにあった5歳年上の女性・かれんの美しい変貌ぶりに驚かされ、そしていつしか1人の女性として意識し始めるようになる……というのがこの作品の内容。
『おいしいコーヒーの入れ方』シリーズとして何作品も出ているそうですが、私が読んだのは文庫版の1作目です。
ざっくばらんに平たく言ってしまえば、「恋愛小説」ということになりますね。
三人称で物語が進むものの、どちらかと言えば勝利中心に話が進んでいくので、当然勝利の心情がよく描写されています。
その勝利のかれんに対する想いがもどかしくて、じれったくて。
「恋をするのって良いなぁ」なんて思わせてくれる作品でした(*^ー^*)


かれんについての、2人の関係を揺るがすほどの重大な秘密を勝利は事前に知ってしまうのですが、
その事をかれん自身が話して泣き出してしまった後の勝利の対応がとても良かったです。
本当に、本当にかれんの事が好きなんだなぁって感慨に浸ってしまいました。
ある男性と少し親密に接するかれんに対して嫉妬心を覚える勝利もまた、印象的なものでありましてね。
好きな人だからこそ言いたい、でもだからこそ言えない……という、勝利の複雑な心境が丁寧に描かれていた気がします。
最後の方なんか、「頑張れ、頑張れ!」って心の中で応援してましたからねw


作中でも言及されていますが、「いて欲しい時にその人が自分の傍にちゃんといる」というのは意外と難しいことなんですよね。
「いて欲しい」といつ感じるかは相手次第なのだから、それがいつ・どの瞬間なのかは全く分からない。
その人の近くに四六時中居るってのは、現実的に不可能なわけですし。
自分がその人の近くに居た時がその人にとっての「いてほしい」時であった事が頻繁に起こるというのは、簡単に言ってしまえば「2人は馬が合う」ということになるのだけど、
恋なんてのはたった一言で解決できるほど甘いものじゃない。
複雑で、でも確かに2人の間に「この人に居てほしい、この人じゃないとダメだ」という気持ちが存在するからこそ、恋人関係になる。
2人がしているような恋を、1度でいいからしてみたいなぁ……本当に。


シリーズ物ですから、2作目以降も借りてくる予定。


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2011/03/26 Sat. 22:48  edit

Category: .書籍物の感想 小説

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