最近読んだ本の感想(その四)
暇な時にチラッと7月からやる作品をチェックしてみたのですが、
感想を書く作品も含めて気になった作品が10本もあって絶望しました(何
テレビ愛知さん……放送作品、多過ぎやろ…!
という、嬉しい悲鳴をあげてみました。てへっ♪(おい
ネタバレがございますので、まだ読んでない方は気を付けてくださいね。
今回読んだ作品は『アクロイド殺し』。
ご存じ(?)の方も多いでしょうが、アガサ・クリスティーさんの有名な小説です。
ホントは『かれはロボット』とかいうタイトルだけで選んだ小説も借りてきてたんですが、忙しくて1冊しか読めなかったんですよね(^-^;)
基本的に読むの遅いから、どんな小説でも読了までに1週間はかかるんだよなぁ…
ごくごくありふれた普通の村の屋敷に住んでいた当主の死をある探偵・ポアロが解決していく様を、事件の関係者でもある1人の医師が手記としてつづっていく……という形で展開されていく本作品。
真相を知った時、私は「また『そして誰もいなくなった』方式かよ!」と心の中で叫んでました。
確かに手がかりはちゃんと存在してるけど、この人が犯人なんて分かるはずないよね……という印象。
途中で分かった人は、相当読み込んでたんじゃないかな。
まぁね、何となく気になってはいたんですよ。
「手記」という形だから、この作品って実際は3人称じゃないでしょう?
叙述者本人の感情は行間からはほとんど見えず、冷静かつ論理的に事実が述べられていってます。
しかし、忘れてはならないのが“この作品は極めて3人称に近い1人称である”という点。
この事を常に念頭に置かないと、まず犯人には辿り着けないでしょうね。
もしかしたら、頭の片隅に置いてあっても気付けないかもしれない。
会話文だから過信してはならない、地の文だから信用できる。
そういったミステリーにおける常識があまり通用しないわけなんですよ、この作品って。
ミステリー小説としてズルい作品だなぁ、と思いつつも実によく練られた作品だなぁとも感じました。
あんな発想、なかなか思い付くものじゃないです。
アガサ・クリスティーさんの名が世界中で知れ渡っているのも当然ですな。
推理バートでは、関係者1人1人の隠している事が暴かれると共に
1人ずつ犯人候補から外されていく様は読んでて気持ちがいい。
「ボアロさん、尋常ではない推理力を持ってますね」と捉えるか「その推理は一体全体どこから導き出したんだよ!」と批難するかは、それこそ人それぞれだと思います。
ちなみに、私は両者のちょうど中間あたり。
後者の考えも一瞬頭をよぎったけど、それ以上にポアロさんの論法の美しさに脱帽でした(´ω`)
既に引退してる?何寝ぼけた事言ってるんですか(何
まぁ、トリックとしてそれはアリなのかって部分もあったけど、読んでて面白かったからそれでいいかな。
ポアロさんの事件に対する姿勢はミステリー小説全般に通じるような気がします。
ある人の証言は他の人の証言によって支持されないと正しいものとして認められないんですよね~。
うん、勉強になりました。
若干長いけどアッと驚かされる工夫がされている小説なので、
是非ともお読みになっていただけると幸いです。



クリックしていただけたら、管理人は大喜びすると思います(何
2011/06/26 Sun. 09:56 edit
Category: .書籍物の感想 小説
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