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惑星観測所の記録

アニメの感想、雑記など徒然と記すブログ マイペースにまったり更新中

『陽だまりの彼女』について 




今年の6月頃に新潮文庫さんにて発売された小説。作者は越谷オサムさん。
何でも、そこそこ人気のある小説なんだそうです。
まぁ、私はそんなの気にせず買ってるわけなのですが…
解説合わせて342ページ。


ネタバレが多分に含まれてますので、まだ読んでないって人は気をつけてくださいね



中堅の広告代理店に務める主人公・奥田浩介は最近成長著しいランジェリー・メーカー「ララ・オロール」との会議で中学生の同級生であった渡来真緒と偶然再会する。
彼女は中学時代「学年有数のバカ」と周りから謡われてイジめられていたのだが、真緒に対する周りのあつかいに「キレた」浩介は真緒を庇ってしまう。
それをきっかけにして2人は孤独な中学生活を送る事になってしまったのだが、そんな真緒との甘く切なく、そしてファンタジックな雰囲気も孕む小説……といったところかな、内容は。
物語の前半部分はひたすら甘い!甘い!甘い!のオンパレードでしたw
いやねぇ、真緒がホント可愛らしいんですよ。
気まぐれで浩介の事を振り回してばかりなんだけど、ふとした拍子に浩介に甘えてくる姿が素晴らしく愛おしいんです。
浩介が誰よりも大好きで、誰よりも大切なんだなって事が彼女の一挙手一投足から滲み出てました。
恋愛小説は好きな方だから、というか自分がこれまでに買ってきた小説を振り返ってみるとそういう小説ばかりだから
前半部分を読んでいただけで、もう幸せすぎて辛くなるぐらい!
浩介の方も、真緒の事は本当に大好きで大好きで。
でもだからこそ、真緒の事が本当に好きだからこそ預金通帳から出されていた大量のお金を見た時は不安で居ても立ってもいられなくて…
結果として怒鳴りながら真緒を問い質す事になるんですが、繰り返すようだけど真緒の事が本当に心配だからこそなんですよね。
実際読んでみれば分かるんですが、作中で真緒を怒鳴るシーンはたった2回しかないんですよ。
いずれのシーンも真緒に対する浩介の気持ちが大変よく表れていて、こうやって誰かを大切に想ったり逆に大切に想われたりするのってステキだなぁと思えましたねぇ。
真緒の方も浩介の気持ちはよく分かっていて、精一杯の気持ちを込めた「ごめんね」を言ってくれる。
口だけの謝罪などでは決してなく、浩介に対して申し訳ないって想いを本当に込めての謝罪の言葉なんです。
地味だけど、私は真緒の「ごめんね」って言葉が大変気に入りました。
「好き」って気持ちばかりが突っ走った、ただ甘いだけの恋愛描写よりも
2人が衝突して互いの事を考えに考え、和解する様が描かれている方がずっと好感もてます。
結婚っていいなぁ、こんな恋愛してみたいなぁと思えるのが前半の部分。

真緒の両親(実の親ではなく、養父母)から真緒は全生活史健忘と呼ばれる記憶喪失だと診断され、13歳よりも前の記憶がないこと。中学時代に暗い夜道を裸で歩いていたと噂されていた事が事実だと発覚してからはちょっぴり作品に対する接し方が変わってきて。
前述の預金大量引き出し事件、そして真緒が見るからに元気でなくなってきたシーンに入ってからは「もしや、悲しい結末になってしまうのでは?」という気持ちを感じずにはいられない内容になっていきます。
真緒の行く末を心配しながら、思わずじっくりねっとり熟読してしまいましたね~。
まるで遺言のように、したかった事やしてあげたかった事を浩介に話すシーンは切なくて切なくて、涙が出そうでしたよ…
抜け毛が大量に発見されたシーンなんか、もしやガン!?なんて考えてしまいましたし。
抗がん剤治療なら、お金が大量に引き出されていた事も説明つくものね。
でも、物語の結末はそんなものでは決してなくて。
色んな人に読んでいただきたいので、さすがに結末はどんなものなのかはお教えする事が出来ませんが
きっと度肝を抜かれると思います。
そこに至るまでの浩介のとってもとっても切ない心理描写にも注目して欲しいですね!

そして、出来たらこの作品をもう一度読み返してみてください。
流し読みで全然構いませんので!
そうすると、何気ない描写が実は真緒の秘密を暗示させた伏線だった事にいくつも気づけると思います。
どうして真緒が日当たりのいい場所を2人の共同生活の場として選んだのか。
どうしてその場所を“終住処”って真緒が表現したのか。
13年前、どうして真緒は夜に裸で出歩いていたのか。
どうして何が何でも浩介にもう一度会おうとこだわり、執念深く捜し回っていたのか。
事の真相を知った上で読めば読むほど、真緒がどんな気持ちで浩介と再開し、また恋人として妻として愛を育んできたのか分かってくると思うんですよね。
それを知っちゃったら、もうね……泣かずにはいられませんよ。
残念ながら、私は涙を流せなかったんだけどね。。。
泣きたいのに泣けないって辛いよ、実際。

まぁもちろん、浩介からしてみれば真緒にまんまとダマされていたわけで。
でもそれじゃあ、彼女から秘密を正直に打ち明けられてたらどうなってたと思う?って話なんですよね。
心配症な浩介の事だから、真緒の事をたとえ信じたとしても今まで通りの生活はもう送れなかったはず。
色んなところで真緒を気遣っちゃって、きっと幸せな生活は送れなかったでしょう。
だから、私は真緒の選択が間違ってるとは思えません。
誰だって、毎日が笑顔で包まれた生活を望むはずです。
真緒なら、なおさらね。




というわけで、この作品の感想はこの辺で終わらせておこうと思います(´ω`)
完全なハッピーエンドではないし浩介の気持ちに立って考えると何で教えてくれなかったんだ!って感じになるだろうし、終盤でちょいちょい「え?それってアリなの」って展開も見られるので
皆が皆いい評価をする作品ではないのかも。
でも、少なくとも私は恋愛をする事の美しさや温かさ。大切な人が傍にいてくれる事への喜び、失ってしまった時の悲しみ。
そして最後にはクスッと笑わせてくれるいい作品だと思います!
まだ読んでないという方、是非とも一度読んでみてください。
もう読んだって人はもう一回読んでみて!
きっと幸せな気分になれるはずっ!



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2011/12/05 Mon. 22:23  edit

Category: .書籍物の感想 小説

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