『Another』文庫版(上)を読んでみた

『十角館の殺人』や『奇面館の殺人』といった「館シリーズ」の作者である綾辻行人さんによる小説で、今年の1月~3月にアニメ化&8月には映画化もされた作品。402ページ。
※ネタバレがありますので、まだ読んでない方は気を付けてくださいね
そんなわけで、ついに買ってきました『Another』!
普段の私なら大元の原作であるハードカバー版を買ってるんですが、アレだとさすがに分厚すぎるので文庫版を購入です!
原作のハードカバー版って、見た事ありますか?
アレ、どう考えても鈍器ですよ?(何
上巻は恒一くんが夜見山にやって来てから彼までもが「いないもの」にされ、夜見北中学3年3組にまつわる奇怪な呪い(超常現象?)やそれに対して採られてきた対抗策に関する詳しい事を鳴ちゃんから聞かされる場面までが描かれているわけなのですが…
アニメが放映されている時に様々なブロガーさんのところを巡回していた時にもチラリチラリとお見受けはしていたんですけど、実際に原作を読んでみてよく分かりました。
アニメ版って、ホントに原作を実に忠実になぞらえて放映されていたんですよね。
展開の進み方なんてまさにアニメ版そのものと言った具合で、まるでアニメのおさらいを文字で以ってしているかのようでした(´ω`)
でも、決定的に違う部分もいくつかあったりして……1番印象的だったのは、アカザーさん事赤沢泉美が全くといっていいほど恒一くんと絡まないんですよね。
確かに、折に触れて赤沢さんの描写がされてはいます。
恒一くんも、彼女の事を「ちょっと大人っぽくて押し出しの強い、華やかな存在」と評してますし。
だがしかし、全く絡まないのです。
1度として絡む事もなく恒一くんが第二の「いないもの」にされて、鳴ちゃん以外の全てのクラスメイト・教師からそういう存在として扱われてしまうんですよね。
小椋でしたっけ、彼女の上に割れたガラスが降ってくるのを恒一くんが庇うシーンだって存在してません。
原作の場合は、良くも悪くも不気味な雰囲気を徐々に強めながら淡々とスピーディーに描かれていく印象を受けました。
そう考えてみると、アニメ版はある意味ではこの作品をうまい具合に脚色して作られていたんだなぁとしみじみ感じたり…
本編と本編の間に「Interlude」と呼ばれる幕間劇みたいなものが用意されていて、そこで26年前に起きたとある人物の死を話し合ってる部分や鳴ちゃんが「いないもの」にされる部分が描かれていたりするんですが、その部分もうまい具合に本編とつなぎ合わせてましたしね~。
文字媒体によってこの作品に改めて触れて感じたんですけど、最初の事件発生までが異様に長いんですよね、この作品って。
最初の事件って、文庫本サイズでいうと200ページを少し過ぎた辺りで起きるんですよ。
上巻は402ページですから、実に全体の半分近くを舞台設定や謎の少女・鳴ちゃんと接した際の恒一くんの心理描写を描写するのに使われてるんですよね。
それだけこの作品がじっくりとゆっくり進められていってる事を表してるわけで、特に恒一くんの心理描写がアニメ版だと物足りない感じがしたので
「なるほど、ここではこういう事を考えいたのか」と新たな発見をいくつもしたような気分にさせてくれましたよ(´∇`)
アニメ版に大人っぽい思考回路を持ってるように見えるんですよね、恒一くんってw
中学生のはずなんだけど、大の大人が持ち合わせてるような落ち着きを持ち合わせている雰囲気がそこはかとなく感じられて……頭を悩ませながら、あれこれ考えていく恒一くんが非常に人間臭く感じられましたね~。
内容的にはアニメ版とほぼ変わらないので、特に申し上げる事はございませぬ。
…というか、まだ下巻がありますしね(ぁ
下巻の方も既に購入済みなので、ちまちまと読んで感想も書けたらなぁと思っております。
「災厄」によって人が死ぬ場面はやっぱり映像として見られるアニメ版の方が恐ろしさがあってよかったなぁ、なんて感じるAnotherの上巻でした!
2012/10/18 Thu. 18:03 edit
Category: .書籍物の感想 小説
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