惑星観測所の記録

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『小説・秒速5センチメートル』について 

秒速5センチメートル

新海誠監督本人自らの手で執筆された映画『秒速5センチメートル』の小説版。
あとがき、書評合わせて186ページ。

※ネタバレがございますので、まだ読んでない方は気を付けてくださいね









何か新しい作品はないものかとふらふらっと書店の小説コーナーを散策し、偶然見つけ購入した『秒速5センチメートル』の小説版。
異様なページの短さに驚かされつつ、またそういえば友人が絶賛してた作品だったっけかと思い返しながらパラパラと。
読んでて最初に感じた想いは情景描写が実に巧みで、きっと原作である映画を観たらその美しさにさぞや惚れ惚れしてしまうんだろうなぁという事でした。

180前後のページ数となっておりますが、1つの長編作品というわけではなく3編構成の短編小説となっております。
第1話「桜花抄」は一応本作の主人公である遠野貴樹が小学校時代の自分を回想する形で進められており、転校した先で自分と同じ転校生だった篠原明里と出会い、初めての恋をする話。
第2話「コスモナウト」は1話の終盤にて鹿児島に転校する事になってしまった貴樹が種子島の高校で生活する高校生時代の話で、彼に密かに5年間も片思いをしていて波に乗れたら告白しようと心に誓っていた女の子・澄田花苗の視点で話が展開されていく。
第3話「秒速5センチメートル」は大学を卒業しシステムエンジニアとして働く「今」の遠野貴樹が描かれており、今まで出来た3人の彼女を通し声にならない悲痛の叫びを上げ悲しみに苛まれる話。
一気に最後まで読んでしまいそうになるのを必死にこらえながら最後まで読んだ本作でしたが、決してハッピーエンドな終わらせ方ではなくまた含みのある結末になっていたところが面白かったんではないかと。
本作のテーマは「喪失」との事ですが、特に第3話がよかったと思います。
どれだけお互いに愛し合っていても……いやむしろ、深く愛し合っているからこそちょっとした方向性の違いで破綻してしまった貴樹と同僚の水野さんとの関係が実に生々しかったです。
リアリティーに溢れていてファンタジー的要素など皆無であるはずなのですが、登場人物の見せる心理描写の所々でファンタジックな雰囲気が散りばめられているような気がして
ファンタジーではないけどファンタジー、そんなアンバランスな感覚も本作のウリなのかもしれません。

絶賛してたその友人によると本作は切ない系だとの事だったんですが、最後まで読み終えた私の率直な思いとしては「本作は所謂『切ない系』ではないんじゃないか」というものでした。
確かに表面的に見れば小学生の頃あれほどお互いの想いが1つとなっていた遠野貴樹と篠原明里は親の転勤による転校というひどく現実的な出来事によって肉体的にも精神的にも別離してしまったわけですし
澄田花苗もまた貴樹が東京の大学へ進学するという出来事によって否応なしに失恋する事になった。
それは確かに切ない事なのかもしれませんけど、文字媒体を通じて物語に触れてみると別離による悲しみがメインなのではなく、それによって引き起こされる喪失感から立ち直っていく事をメインとして描かれているような気がするのです。
どれだけ深い絆で結ばれていても人にはいつか必ず別離というものが待っており、当然ながらそれに直面してしまうのは悲しい事。
そういった出来事からいかにして立ち直っていくのか、新海誠さんなりの1つの答えでありヒントが提示されていたのかもしれません。
篠原明里は貴樹との恋を思い出の大切な1ページとして胸に刻み込み、澄田花苗は貴樹とのお別れの際に本心から「ずっと遠野くんのことが好きだったの。今まで本当にありがとう」と想いを伝えた。
貴樹はきっと、自分だけの時間を過ごしていく中で少しずつ回復させていくんだと思う。

再会できたらいいのにと思うけれど、あえて再会させないところに味わいがあるのでしょう。
たかだか200ページにも満たない短い作品、よろしければ1度手に取って読んでみてください。
そしてこれは私自身にも言える事ですが、もし気に入ったのなら映画もご鑑賞ください。
きっと小説とはまた違った感動が待っているでしょうから。
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2013/05/14 Tue. 21:31  edit

Category: .書籍物の感想 小説

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