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惑星観測所の記録

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劇場版『空の境界』テレビ放送版 第四話「痛覚残留Ⅱ」 




いい笑顔だ、この笑顔を観ただけでどんな事があってもスッキリした気分になれる気がする(何




触れずに物を捻じ曲げてしまう魔眼を持つ少女・浅上藤乃ことふじのんが登場する『痛覚残留』の後編。
何やらどこかでカットされていたとの事ですが、特に気にならなかったので私にとってはどうでもいい事です。
どんな部分だったかなんていう興味もありません。
それよりも、私にとってはふじのんが何だかんだで死なずにいてくれた事の方が大変重要です(何
いやぁあの子、以前にも黒桐君と会った事があったというか高校の先輩後輩の関係だったのですね(´ω`)
多分前回やってた前編部分でも2人が全くの初対面じゃないと受け取れるシーンがあったんでしょうけど、全く気付かなかったなぁ。
「いいかい?傷は耐えるものじゃない。痛みは訴えるものなんだよ」
痛いんならそう言えばいい、そういう意味を込めて言ったであろう黒桐君の一言は普通の人間として見てもらうために痛みを感じて過ごしていたふじのんを一体どれほど救ったんでしょうね?
彼女は幼い頃から「触れずに物を曲げる能力」を持っていてそれを治療するとかしないとかで投薬された事によって能力を封じ込められた代わりに無痛症になったみたいですが、そういう能力があったり痛みを感じないという事を除けば普通の女の子だと思うんですよね。
ただちょっぴり「普通」の人と違う物を持っているだけの、普通の女の子。
彼女の不幸というか恨むべきところは、悲しい事に彼女の周りに黒桐君のような人がいなかったからなんじゃないかなって気がする。
いや、黒桐君みたいな人が10人も20人もいたらそれはそれで困りますけどねw
彼みたいな人が彼女の近くに1人でもいれば、他人の痛みに触れる事で生の実感を得てそれを楽しもうとする衝動に駆られる事もなかった……のかもしれません。
彼女の秘密を唯一知っていた父親が彼女を殺すよう依頼したって、何だか残酷というか物悲しいよね。
親が子を護るどころか、殺すよう頼むなんて無責任極まりないと思う。
しかも自分の手でなく人にやらせるってところがまた下衆だよね。
書いてたらどんどん「このクソ親父が」って気持ちになってきちゃうから、もうこの辺で止めておきますけど。
親は子を護っていかなければならないとは露ほども思ってないけど、もうちょっと身の振り方があったでしょうに…

そして、彼女は虫垂炎を患い今や腹膜炎すら起こしており、橙子さんいわくもう手遅れな状態にまでなっていたと。
黒桐君の言う通り、痛みは訴えるもの。
身体の中から出るそれは、「なんか変だよ、やばいよ」っていう身体から発せられる危険信号なんですよね。
ところが彼女は投薬によって無痛症になった事で、その危険信号に気付く事が出来ない身体になっていたわけで。
状況が状況だったから痛覚が戻った時のその痛みを彼女はナイフによって刺された事によるものと勘違いしていたそうですが、多分というかほぼ確実に虫垂炎の痛みって相当なものですよね?
ちょっとお腹を壊してイタタイタタと腹痛になるのとはレベルが全く違うんじゃないかなって思う。
痛覚が常人のそれと比べてどれほど戻っていたのかは分からないけど、かなりの痛みに耐えながら彼女は式と戦っていたって事になるんですよね。
血反吐を吐いて身も心もボロボロになりながら、それでもまだ生きていたいと強く願う彼女の心には昔助けてくれた黒桐君の姿があって…
その彼はもう式と「これもう夫婦でしょ」って言いたくなるぐらいの仲になってるものだから、それを知ってる側としては尚の事切ない。
「痛いんなら痛いって言えばよかったんだ」式にそう言われても、その言えるような相手がいなかったふじのんは一体どうすればよかったのか…
でもまぁ、式が彼女ではなく彼女の身体の中にある虫垂炎を殺したという事で彼女自体は生きてるみたいなので、よかったよかったホントによかったと一安心なのです。
物質的なものであろうが非物質的なものであろうが、目に見える「もの」であれば何でも殺せるし、ふじのんの捻じ曲げる能力ですら殺せるって正直デタラメな気がするw
鉄橋まるごと捻じ曲げちゃったふじのんもトンデモ能力の持ち主ですが、式も式でバケモンですよねぇ…w
そんな彼女が見せてくれたとびっきりの笑顔は、あれこれ巡らせていた考えが全てどうでもよくなるぐらいステキなものなのでした!


ところで、「最後に痛覚をまた遮断した」って式は言ってましたけど、ふじのんはどの時点で自分の痛覚を遮断したの?
アレなのかな、ポロッと涙を流した辺りなのかな。
あと、ふじのんの捻じ曲げる能力は痛覚を犠牲にしてでも封印しないといけない大変なものなの?
無痛症になっていなければこんな事が起きる事もなかったとどうしても思っちゃうので、ちょっぴり疑問なのでした。
次回も楽しみですな!



次回「俯瞰風景Ⅰ」




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2013/07/27 Sat. 20:35  edit

Category: .2013年の作品 劇場版「空の境界」テレビ放送版【終】

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コメント

前回の黒桐くんと藤乃の偶然の出会い(再会)について、黒桐くんはあの時の娘だと最後まで気づきませんでしたが、藤乃の方は最初から気づいていました。 だから招かれるままに、彼の部屋までついていったんですね。 あの時彼女が自分を心配する黒桐に告げた「はい。 とても・・・とても痛いです。 わたし・・・泣いてしまいそうで・・・泣いていいですか?」には、万感の想いが込められていました。

なお藤乃は黒桐くんが友人である鮮花の兄とは知りませんでした。 鮮花が藤乃から、名前も知らない憧れの先輩の話を聞いて感動し、それなら人探しが得意な兄貴を紹介するという流れになったんです。
なおこの事件後も、鮮花は藤乃の友人であり続けています。

藤乃の能力には最終的に透視能力まで加わっていて、だから巨大な大橋にも隅々まで視線と共に歪曲の力を送り崩壊させることができたんですね。

>ですが、多分というかほぼ確実に虫垂炎の痛みって相当なものですよね?

原作で橙子さんは、「それこそナイフで刺されたように感じるほどの激痛」と語っています。

>その言えるような相手がいなかったふじのんは一体どうすればよかったのか…

原作では、藤乃はもうろうとする意識の中で、黒桐以外に母親の事を求めています。
また彼女の専属医(黒桐が話を聞いた老医ではなく、橙子さんに藤乃の容体を教えた人)は、彼女のことを心配して、ずっと探し続けていたそうです。 このことに原作の黒桐は、藤乃にわずかでも味方がいることに少しだけ安堵しています。

>ふじのんの捻じ曲げる能力は痛覚を犠牲にしてでも封印しないといけない大変なものなの?

浅神と両儀は、月姫で、かつて退魔4家に名を連ね、混血の天敵と呼ばれていたことが語られています。 混血は魔の血を引く超能力者で、純粋な人間の超能力者は純潔と呼びます。 異能力と魔術は別物で、原作の橙子さん曰く、「魔術は学問だが超能力は才能がすべてだから好きじゃない」とのこと。 「直死の魔眼」も藤乃の魔眼も、魔術とは無関係ということですね(橙子さんの魔眼野よ王に魔術で開発した魔眼もありますが)
両儀も浅神も元々超能力者が生まれやすい特別な家系だったんですよ。
浅神は退魔から完全に足を洗い、一般人の中に併合しています。 このため超能力者が産まれたら、全力で封印しようとします。 それに幼少時の藤乃はあの力のせいで里で鬼子と呼ばれ忌み嫌われ、迫害されていたようです。

ちなみに両儀は、現代でも意図的に超能力者を生み出そうとしていて、浅神と真逆なので、橙子さんは皮肉っていたんですね。

藤乃の痛覚を消して彼女の能力を封じたのは死亡した実父で、今回の事件で藤乃の説得が無理なら抹殺してくれと依頼したのは母親の再婚相手なんですね。
この継父は、かなりの資産家で、没落した浅神(藤乃の元の名字)の謝金を土地の権利と引き換えに返済しています。 
あの決戦の場になった大橋は継父の出資によって建設されたものです。 だから藤乃は、あの場所のカードキーを簡単に入手できたんですね。
浅上家は、元々浅神の分家で、だから継父は藤乃の能力を理解していたんですよ。

さすらいの名無 #OS7RI82Q | URL | 2013/07/27 23:01 | edit

>さすらいの名無さん

こんばんはですー。
お、おおう……あまりの長さに一瞬我が目を疑ってしまいました←
私も割とコメントは長めに書いてしまうタチですが、まさかこれほどとは……がんばります(´ω`)


あー、やっぱり黒桐君の方は道端で出会い解放した女の子が高校時代に助けた子と同じ子だとは気付いてなかったのですねー。
思い返してみても覚えていそうな表現が何一つなかったとしか記憶してなかったので、ちょっぴり安心。
もしかしたら、黒桐君が気付いていなかった事も彼女の不幸の1つとして数えられるかもしれませんなぁ。
ふと考えてみると、ふじのんは彼にだけは痛みをきちんと伝えていたんですね。
黒桐君自身が気付く事はなかった上に友人から人探しが得意な兄として紹介されるはずだった人物が探してた張本人というのも何とも言えない気分。
あの場所で2人がもし出会えていたらとかふじのんが黒桐君と再会した時に勇気を振り絞って自分の素性を明かす事が出来ていたらとか、考えても仕方のない事だけど色々考えちゃいますねー。
きっと私にとって彼女は「かわいそうな女の子」という位置づけなんでしょうな、やっぱり彼女の事を「かわいそう」って思っていいのか疑問ではありますけど。

透視能力かー、そこまでいくともう「すげぇ」の一言しか言えなくなりそうです(ぁ
橙子さんが力が封印された事でその力が増幅云々かんぬんと言ってた気がしますが、きっとそれが影響してるんでしょうねー。
あと、おそらく透視して大橋をベキベキっと捻じ曲げちゃうシーンも「カットされたシーン」の1つにあるんでしょうな。

>藤乃の痛覚を消して彼女の能力を封じたのは死亡した実父で、今回の事件で藤乃の説得が無理なら抹殺してくれと依頼したのは母親の再婚相手

ほえー!なるほど、そういう事でしたのね?
てっきり同一人物だと思ってたのであれだけ彼女を苦しめておいて何様なんだとちょっぴり感じていたものですが、それを聞いて妙に納得した面持ちになりましたw
没落した浅神家の娘で歪曲の能力を持って生まれるも、退魔の道から足を洗い一般人に溶け込むため自分の意志とは関係なしに人として大切な感覚と一緒にその能力を封印される事になったふじのん。
そのふじのんの能力がどれだけ人間社会にとって脅威となるか理解していたからこそ、殺害も辞さない覚悟で娘の説得を継父は依頼していたという状況。
なんというかこう、あらゆる要素が彼女を不幸と呼ぶに相応しい要因を孕んでいますよねぇ。
恨むべくは自分の生まれてきた家、とはまさしくこの事なんだと思います。
所謂「異能」を持った者が現代社会に溶け込むのって、壮絶な努力と運的要素が必要なんだなとしみじみ感じ入っておりました…


色々と注釈ありがとうございます、あーそうなんだ、そういう事なんだと気づかされる事も多くって感謝感謝。
やはり重厚な作品なだけにアニメだけでは理解する事は難しいでしょうし、俄然原作にも興味が湧いてきました(ぁ

ではではー。

Plutor #Oj.PUqxM | URL | 2013/07/31 22:50 | edit

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