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惑星観測所の記録

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劇場版『空の境界』テレビ放送版 第六話「俯瞰風景Ⅱ」 




かわいい!黒桐君を取り返すために戦う式かわいい!(何




今回は『俯瞰風景』の後半部分、黒桐君を取り返すため式が屋上に浮かんでいた幽霊たちと戦う話。
今回も、なかなかに難解な内容でした。
突き詰めてみれば、難病に冒されずっと入院していた少女がそれだけはいなくならずずっと自分を見つめてくれている空に憧れ、見つめているうちに「俯瞰」を手に入れて実体とは独立した霊体としてあの巫条ビルの屋上で浮遊できるようになった事がきっかけで今回の事件は起きてしまったと。
結果的には死に至らしめてしまった女子高生たちも初めからそういうつもりがあったわけではなく、友達になれると思って自分に意識を向けさせたらそうなってしまったようで。
黒桐君の魂をどうして連れて行ったのかと言えば、式のお見舞いに訪れる彼をいつも見ていた少女は自分も連れて行って欲しかっただけなんだと…
オーケー、1つずつ整理していこう(何

まず、結果的に連続飛び降り自殺になってしまった女子高生たちの方は「無意識下でのみ飛行が可能だった」という事なんでしょうかね。
それかもしくは、意識が空にのみ向けられていたか。
どちらかよく分からないので、橙子さんの言葉を信じて無意識って事にしておきましょう。
いずれにせよ、巫条霧絵なる例の少女は自分の周りを飛んでいた女子高生たちが自分と同じように浮遊していたと思っていたから彼女たちと友達になろうとしていたんでしょう。
自分はずっと病室で1人ぼっちで、寂しかったから。
でも、意識的に空へ浮かんでいた霧絵と女子高生たちは違った。
彼女たちは無意識的に空を飛んでいたから霧絵の存在に気付くはずもなかった。
それで霧絵が自分の存在に気付いてもらおうと彼女たちに呼び掛けた事で彼女たちが霧絵を「意識」してしまった事で、悲しい事に飛行できなくなりそのまま墜落死を遂げてしまった。
という事なんでしょうね、きっと。
不可抗力とは言えそういう結末を彼女たちに与えてしまった事に罪の意識を感じられた霧絵は、少なくともまともな人間だったんだと思います。
まともで1人ぼっちが寂しくて、逃げ場のない檻の中から自分をどこかへ連れて行ってくれる人を追い求めていた女の子。
何が悪いとか誰が悪いとかそういう事ではなく、霧絵が最終的に選んだ墜落死も含め起こるべくして起きた悲しい出来事であり、運命のイタズラだったのかもしれませんね。
「闘争には2種類ある。目的のない闘争と目的のある闘争だ」
「一般に前者を浮遊と呼び、後者を飛行と呼ぶ」
「君の俯瞰風景がどちらであるかは君自身が決める事だ」
「だが、もし君が罪の意識でどちらかを選ぶのなら、それは間違えるぞ」
「我々は背負った罪で道を選ぶのではなく、選んだ道で罪を背負うべきだからだ」

とても理解できそうになかったので橙子さんの言葉をそのまま抜き出しておきましたが、普通の人間は罪の意識から道を選ぶものですよね。
彼女もまた「普通」の人間であったからこそ、そして式に心臓を貫かれた時の臨死体験に衝撃的なまでに心惹かれたからこそ、墜落死という自分が生涯に幕を閉じるその瞬間まで意識的でいられる方法を取ったというのも後味が悪い結末でありますよねぇ。
もうずっと入院してたって話だったし、きっと彼女の病気が完治する事はなかったんだろうな…


あと、黒桐君と式による「自殺は正しいのか」という話も興味深かったですねー。
死は甘えなんだろうけれど、当事者にはどうしようもなく逃げ出したい時だってあるだろうし、それを否定する事も反論する事も出来ない。
それは安易な方法で死を選んでしまう人間と同じように自分も弱い人間に変わりがないから。
多分、黒桐君は「自分は弱い人間だ」って自覚しているから、ふじのんの時みたいに他人に優しくする事が出来るんでしょうね。
自分が弱い人間だから、同じように弱くって苦しんでる人たちの気持ちが分かる。
そんな人たちを1人でも多く助けたくて、黒桐君は自分の事など省みず救いの手を差し伸べようとする。
それは「偽善」なのかもしれないけど、決して「弱い人間」ではないと思うんですよね。
もし本当に「弱い人間」だったら、自分の事・自分の身を護るだけで精一杯で他人の事を気にかけてられないだろうから。
黒桐君が「弱い人間」ではなく「強い人間」であると分かっているが故の式の「違うよ」の一言、ステキでございました(´ω`)


まだ何か書きたい事があったような気がするのですが、もはや私の中には全くと言っていいほどエネルギーが残されていないので筆を置く事にします(待
これでもまだ原作よりは易しめだと言うのだから、驚きで口が開いたまま塞がりませんよね。
でも、これまでの章以上に難解で申し訳ない事にあまり理解できなかったけれど、こういう作品は大好き。
何か1つでもいいから考えを巡らす事が出来るのって、幸せな事なんだと思います。
多分半分も理解できてないんだろうなぁ、自分。



次回「殺人考察(前)Ⅰ」




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2013/08/12 Mon. 12:36  edit

Category: .2013年の作品 劇場版「空の境界」テレビ放送版【終】

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コメント

この解釈でほぼ正しいですよ。 100点中90点以上です。
付け加えると、霧絵にもう一つの体を与え、藤乃の痛覚を不安定ながらも回復させたのは、病院の話のラストに登場した謎の魔術師です。
それは親切などではなく、彼女たちが式と似て非なる異能の殺人鬼となり、いずれ式と対決すると予想してのことです。
あの魔術師こそが式の最大の敵なんですが、残念ながら彼との決着が描かれる第5章はテレビではカットされるようです。
敵は橙子さんの昔馴染みでもあり、橙子さんが大活躍する話でもあったのですけどね。

黒桐くんの妹の鮮花は橙子さんの魔術の弟子です。 腕前は見習い以下ですが、発火の魔術に関してだけはとびぬけた才能を持っています。
橙子さんによると、魔術の才能は血脈に宿るので、一般人には魔術の才能がないのが当然。 しかし、安定した才能を持たないがゆえに一芸のみに秀でた才能の持ち主が産まれることもあり、鮮花もそうであったということです。 数年鍛えれば、炎使いとしては一流になれる器だとか。ちなみに弟子入りは鮮花の方から申し出たものです。
鮮花が大活躍する第6章も、テレビでは放映しないようです。

巫条家も、両義や淺神と同じかつての退魔4家の一つで淺神同様退魔からは足を洗っていました。 霧絵が霊体を分離できたのは、魔術師の力だけでなく、元からそういう才能があったということです。 霧絵の死を以て巫条の直系は絶えたことになります。

これはお気づきかもしれませんが、式が霧絵の霊体を掴めたのは橙子さんの義手の力です。 藤乃戦の直後に式から義手の注文を受けた橙子さんは「その左手、霊体でも掴めるようにしておこう」と言ってますが、それを実践したということですね。

ラストで式は黒桐くんの家に泊まりましたが、同じベットで寝たのに、何事もなかったりしますw
ちなみに式は冷たい食べ物が嫌いです。 前回、一生懸命アイスを食べていたのは、あれが黒桐くんの持ってきたものだからです。 黒桐くんは気づいていませんがw

さすらいの名無 #- | URL | 2013/08/13 00:41 | edit

>さすらいの名無さん

こんばんはー。
100点中90点以上と聞いて、ムフフとニヤニヤ喜んでます(完全に子供


ほうほう、霧絵に今回の話で橙子さんが言ってた2つの身体(と言ってたっけか?)のうちの1つ、霊体の方を与えたのはふじのんが以前に出会っていた方と同一人物だったのですね。
その方との対決が観られないというのはちょっぴり残念な気もしますけど、きっと「観たかったらBD買ってね☆」って事なんでしょうねw
次回からは前後編に分けられた『殺人考察』という章を最後まで放送されるんだったっけか…
また毛色の違う物語が観られそうなので、楽しみだったりします(´ω`)

ふむふむ、それで第3章で喫茶店にて式が出会い、今回の話では霧絵の自殺現場の近くに橙子さんと一緒に来てた「鮮花」なる女の子は発火の魔術に関してだけはずば抜けた才能を持っていると…
魔術の量や質って魔術師の家系に生まれて代を経る毎に濃くなっていくんでしたよね、確か。
それなのに魔術師の家系でもない家に生まれた鮮花が単一とは言え何かしらの魔術を行使できるだけの才能を持っていたというのは、きっと異例中の異例なんでしょうねー。
発火の魔術と言うと、どうしても某錬金術師漫画の大佐を思い浮かべてしまう私です(何
そちらも「BDを買ってね☆」って事なのか……ぐぬぬ。

式が霊体の霧絵をガシッと掴んでた事については、「おー橙子さんの義手ってすげー」ってそのシーンを観た時に思ってましたw
あれだけの高さから軽々と飛び降りてたのも義手のおかげ(確か義手になってる方の腕を支えに着地してたはず)なんでしょうから、橙子さんが一流の人形師なのは本当なんだなとしみじみ実感しておりました。

若い男女が一緒のベットで寝て何もなかったってのは多分アレでしょうね、もうそういう行為をするまでもなくお互いに深い絆で結ばれてるって事なんでしょうねw
いつもニコニコの方で放送されたものをコメントを消した状態で観ているんですけども、みな口々に夫婦と言っているのも何となく分かる気がしますw
いつもクールな方がほんのちょこっとだけデレる姿って、とってもかわいらしいですな!


ではではー。

Plutor #Oj.PUqxM | URL | 2013/08/13 19:27 | edit

初めまして

俯瞰風景は奈須きのこが一番初めに書いた章ですから特に難解な話ですが初見の方とは思えないくらい内容を理解した考察だと思いました
空の境界のクライマックスは5章の矛盾螺旋という話でありそれ以外の章の伏線や黒幕などが一気に収束していくんですが残念ながら放送はないですね
しかしBDを買わずともレンタルショップで借りることができると思うのでもし興味があるのなら是非借りて見てみて下さい
両儀式の本気の戦闘が見れるのも5章だけですので

あとニコ動で夫婦と言われているのは式と幹也が夫婦に見えるからだけではなく、2人の中の人もご結婚なされているからですねw

名無し様 #- | URL | 2013/08/16 21:02 | edit

>名無し様

初めましてー、こんにちはー。
自分に「様」づけしてるのなんかいいですね、私そういうの好きです(何


あらまぁあらまぁ、お褒めの言葉ありがとーございますw
私程度の頭の固い人間でも分かるぐらいだから誰でも……とほんの少し思わないでもないですが
「俯瞰風景Ⅰ」の時点であまりの難解さというかややこしさにゾッとしたので、何とか理解しようと必死にあれこれ考えておりました(´ω`)
原作が小説のようで、この章は「小説をそのまま映像化してみました」みたいな感じがあって考えるのがけっこー楽しかったですねー。
やっぱりTV放映の分だけでは不完全ですし、足りない部分も観てみたいとは思ってるのですが
レンタルという選択にするとしてもはたして出不精な私がそれをするのは一体いつになるのか…w

>2人の中の人もご結婚なされているから

あー、そんな事もコメントされてたような気がしますねw
熟年夫婦のような落ち着いた雰囲気が2人の間にあって「なんかこういうのいいな」とムフフな気分になってました。


ではではー。

Plutor #Oj.PUqxM | URL | 2013/08/19 11:57 | edit

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